令和7年10月29日、子吉川水系でサクラマスの発眼卵(ふ化直前の卵)40,000粒を放流しました。秋らしい冷たい空気の中、地域の組合員や関係者が協力しながら、今年も安全に作業を行うことができました。


今回の放流は、子吉川の支流を中心に、以下の3か所で実施しました。
■ 放流場所
- 鳥海地区:子吉川支流・高口沢川
- 矢島地区:小杉川本流との合流点
- 石沢地区:大梁川の石沢大滝下流
それぞれの地点で、地域の環境に適した放流ボックスを設置し、受け取った発眼卵を丁寧に収めて川へ沈めます。作業は手慣れたものですが、一粒一粒が未来のサクラマスになる「いのち」だと思うと、手元が自然と慎重になります。
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鳥海地区:子吉川支流・高口沢川













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矢島地区:小杉川本流との合流点











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石沢地区:大梁川の石沢大滝下流
この日、放流予定地域で「熊の目撃情報」がありました。国土交通省の方が、注意を呼びかけるとともに、「熊よけの花火」を上げてくれました。無事に終わりますようにと祈る気持ちでした。














■ 発眼卵放流とは?
発眼卵とは、目が見えるほど成長した“ふ化直前の卵”のことです。
これを自然の川に沈め、ふ化から泳ぎ出しまでを「自然の流れ」に任せる方法が発眼卵放流です。

● 発眼卵放流のメリット
- 自然ふ化に近い環境で育つため、生き残る力が強い
- 水温・流れ・エサなど、その川に適した個体に育つ
- 稚魚放流よりも病気リスクが低く、自然の生態バランスを壊しにくい
- 地域資源としてのサクラマスの回帰(母川回帰)につながる
人の手をできるだけ加えずに「自然が自然を育てる」──そんな放流方法です。
■ サクラマスの生態と成長
サクラマスは、ふ化した後しばらく川で育ち、翌春に銀化(体が銀色になり海に降りる準備が整うこと)します。
その後、日本海で成長し、2~3年後に再び生まれた川へ戻ってきます。
つまり、今回放流した40,000粒のうち、数年後に私たちの子吉川へ帰ってくる個体がいるということです。
これが地域の漁業や自然環境の活力にもつながっていきます。
■ 地域協働による自然保護のかたち
今回も、組合員の皆さん、地域住民、関係者の協力で、準備から設置、記録撮影までスムーズに進みました。
写真のように、作業の前には打ち合わせをしてから現地へ移動し、温度計測・重量確認をしながら慎重に作業を行っています。
こうした地道な取り組みが積み重なって、
「川を守る」活動は地域の文化として続いている
──そう感じられる一日でした。





■ 河川環境と生物多様性を守る取り組み
サクラマスは、きれいな水や自然な川底がないと生きられません。
つまり、サクラマスが戻ってくる川は
“他の水生生物も豊かに生きられる川”です。
今回の発眼卵放流は、
- 川の健康状態を守る
- 生き物が暮らせる環境を整える
- 未来の子どもたちに豊かな自然を残す
そんな目的も担っています。
■ おわりに
子吉川に、再びサクラマスがたくさん上ってくる未来を願い、私たちはこれからも地域一体となって活動を続けていきます。
来年度もその成長の様子を報告しますので、どうぞ楽しみにしていてください。

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